コウイカから学ぶ
自信があるのは良いことだと思うし、明日のことを考えて行動するべきだとも思う。
しかしそれも時と場合による。今日は中野海岸を日没と同時に泳ぎ出した。昼はシュノーケリングをする人達で賑わいを見せるが、夜泳いでいるのは海人ぐらいである。透明度の高い海の中にLEDライトの光が綺麗に走っていく。夜光虫など自ら発光するもの達が幻想的な世界を作り出している中にいかにも人工的な光だ。泳ぎ出し5分足らずで大きなコブシメ(コウイカ)を見つけた。タコや伊勢海老などは光を当てると身を隠すものだがコブシメは違う。擬態に自信があるのかサンゴや岩と同じ色に変身してジッと動かずやり過ごす。研究者ジョナサン・ロシターによるとコウイカの筋肉は「自然界の傑作とも言える軟組織」でその研究が進めば、ほんの一瞬で色の変わる衣服が作れるという。
しかし人の目は30万色を見分けるといわれており、どれほど同じように装っても見破ることができる。光を当てたまま銛を絞り目と目の間を突き通すと、その段で慌てて墨を吐いて煙幕を作り一面は漆黒の闇に包まれるが後の祭りだ。しっかりと突き通しそのままクーラーボックスに連行する。話を聞くと自分は見つからないと思っていたと言い、さらに墨をまだ隠し持っていた。今まで捕えた全てのコブシメは必ず大半の墨を使い切らないまま水揚げされている。その墨は明日使うつもりだったらしい。
自信があるのは良いことだし、明日のことを考えて行動するのも大切だが、今日を全力で生きない者に明日は来ない。