ここ西表島にはウミガメが沢山いて、内地で犬や猫を見るのと同じ感覚で普通にいる。特に夜の海の電灯潜りに出かけると、岩場に頭を突っ込んで眠っていて、こちらに気付いても驚いた様子もなく、平然としている。自分たちは保護されていることを知っているのだろう。
雌のカメは2年から4年おきに浜辺に上陸して卵を産む。一つの穴に100個ほどの卵を産み,砂をかけて隠し、卵が孵化すると,子ガメは海に向かって進だす。それから驚くべきことに,合計1万3,000㌔にも及ぶ旅に出かけて、何年かすると,成長した雌のカメは産卵のため,ふるさとの海岸に戻って来るという。
ウミガメはどのようにして方位を定めるのか。「言うなれば地磁気地図が遺伝的に組み込まれているらしい」と,米国ノース・カロライナ大学に所属する生物学者ケネス・ローマンは言う。ウミガメは地磁気の強さと方向を探知することによって自らの位置を特定できるようだ。こうした驚異的な能力があるので,無防備で小さな子ガメは,自力で大西洋を回る1万3,000㌔もの旅に出られる。
黒島には日本ウミガメ協議会付属黒島研究所があり、1973年より近海のウミガメの調査を続けているがまだまだ謎が多い。
石垣島でタクシーの運転手をしていた友人は、飲み屋街でお客さんを乗せて「家まで」と告げられ、住所を聞いても分からない酔っ払いが、後部座席で眠りだし、警察署に降ろしてきたとの事。帰る場所が分からないようではウミガメの方がしっかりしている。
石垣島の夜の飲み屋街には酔っ払いが沢山いて、内地で犬や猫を見るくらいに普通にいる。自分たちは保護してもらえる事を知っているのだろう。

貝工房りん スーさん