夏の暑い日に麦茶と間違えて麵つゆを飲んだことがある。もう少し慎重に中身を判別するべきだったという教訓を子供時代のしょっぱい思い出と共に憶えている。今時は誤飲を防ぐために親切にラベルが張られた物が増えてきており、台所用洗剤にも“飲み物ではありません”などと書かれている。そそっかしい者への配慮なのだろう。
最近八重山諸島に野生のイルカが出没するらしく明るいニュースになっている。イルカは音波を使って,海底の砂の中に隠れている魚を見つけたり,魚と岩を見分けたりすることができる。スコットランドのエディンバラにあるヘリオット・ワット大学の准教授キース・ブラウンによると,イルカは「10メートル離れたところにある容器の中身が真水か,塩水か,シロップか,油かの違いを判別する」ことさえできるらしい。当然、麦茶と麵つゆの判別もできるのだろう。子供時代とは言えイルカに及ばないとは恥ずかしい限りだ。
イルカに負けず中身を見ずに判別できるという友人は、ミカンを叩いた感触で甘いか酸っぱいか分かると豪語する。この時点で10メートル負けているのだが、さらに間違ないないと自身満々に手渡されたミカンは酸っぱかった。判別するソナーの性能が悪いのか、悪戯心でわざと酸っぱいミカンを渡したのだろうか。
人の心の中は決して見る事ができない部分であり、それを判別するソナーが出来たらもはや神の領域だ。何も言えずに酸っぱいミカンを噛みしめながら、今の所、彼の動機はまだ判別できていない。
貝工房りん スーさん